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媾和
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こうわ
ふりがな文庫
“
媾和
(
こうわ
)” の例文
つまり……毛利方から提示して来た条件というのは、この際、
媾和
(
こうわ
)
するならば、
備中
(
びっちゅう
)
、
備後
(
びんご
)
、
美作
(
みまさか
)
、
因幡
(
いなば
)
、
伯耆
(
ほうき
)
の五ヵ国を
割譲
(
かつじょう
)
しよう。
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
あるいは不満足なる
媾和
(
こうわ
)
に憤慨した余りの昂奮で筆が走ったので、平素の冷静な二葉亭ではかえって書けなかったかも知れない。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
この会見の栄を肩身狭くも双肩に
荷
(
にな
)
える余に向って婆さんは
媾和
(
こうわ
)
条件の第一款として命令的に左のごとく申し渡した
自転車日記
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
こっちから
媾和
(
こうわ
)
を持ち出したに、彼が応ぜぬなら、それまでの事だと思って、わざと平気で烟草を
呑
(
の
)
んでいる。
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
戦争の始めから、勝つことぢやなしに、どこで巧く
媾和
(
こうわ
)
するか、そんなことばかりを当にしてゐる。
散る日本
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
▼ もっと見る
斉との間の
屈辱的
(
くつじょくてき
)
媾和
(
こうわ
)
のために、定公が孔子を
随
(
したが
)
えて斉の景公と
夾谷
(
きょうこく
)
の地に会したことがある。その時孔子は斉の無礼を
咎
(
とが
)
めて、景公始め群卿諸大夫を頭ごなしに
叱咤
(
しった
)
した。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
かく論じ来れば、日本の東
亜細亜
(
アジア
)
に対する責任は最も重大なるものとなるのである。それ故にこのたびの戦争の結果に付いて
媾和
(
こうわ
)
の条件を述ぶることが最も必要なることと感ずる。
東亜の平和を論ず
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
手をかえ品をかえ、温顔に
恐面
(
こわおもて
)
に、さまざまの人が、さまざまの策略をめぐらして訪問するのであった。慰問使、
媾和
(
こうわ
)
使、降伏説得使なのである。鯉の頭は
猶更
(
なおさら
)
下ろうとはしない。
一世お鯉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
パデレフスキーは選ばれて
波蘭
(
ポーランド
)
代表となり、ヴェルサイユの
媾和
(
こうわ
)
会議に出席して、
樽爼
(
そんそ
)
折衝を重ね、遂に
波蘭
(
ポーランド
)
は百年の
桎梏
(
しっこく
)
を免れて、光輝ある再建国となったことは、大方の知られる通りだ。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
内々毛利側の
媾和
(
こうわ
)
条件を提示してみたが、何度
折衝
(
せっしょう
)
を重ねても、こちらから折れて出た五ヵ国
譲渡
(
じょうと
)
と、清水宗治を助命してほしいという交換的条件とは
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
どうせ死ぬ命が一つなら、大明を直接相手に大芝居、即刻
媾和
(
こうわ
)
を結んでしまふ。どんな国辱的な条件でも、秀吉が気付かなければいゝではないか。自分が中間に立つて誤魔化してしまふ。
二流の人
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
うまく
媾和
(
こうわ
)
の役目をやり
終
(
おお
)
せて帰るよりも
遥
(
はる
)
かに重大な
用向
(
ようむき
)
であった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
(宗治を殺しては、毛利家の武門が立たぬ。宗治の助命を
容
(
い
)
れぬ
媾和
(
こうわ
)
には断じて応じない)
新書太閤記:08 第八分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“媾和”の意味
《名詞》
戦争の当事国が和を講ずること。
(出典:Wiktionary)
媾
漢検1級
部首:⼥
13画
和
常用漢字
小3
部首:⼝
8画
“媾”で始まる語句
媾曳
媾
媾合
媾話
媾曳宿
媾曳橋
媾事遮断