姿容すがたかたち)” の例文
謙譲のつまはずれは、倨傲きょごうの襟より品を備えて、尋常な姿容すがたかたちは調って、焼地にりつく影も、水で描いたように涼しくも清爽さわやかであった。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
うやまひをもて汝の姿容すがたかたちを飾れ、さらば天使よろこびて我等を上に導かむ、この日再びあしたとならざることをおもへ。 八二—八四
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
にっこりと笑いながら自分の手を打ッた時の貌、その目元、口元で笑いながら額越しに睨んだ貌、そのりきんだ目つき、まア何よりもその美しい姿容すがたかたちが目の前にちらちらし始めた。
初恋 (新字新仮名) / 矢崎嵯峨の舎(著)
そのとき、半助ははじめて、卜斎ぼくさい姿容すがたかたちを、よく見ることができて、思わず
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
姿容すがたかたちこそ醜けれ、浪江は御家中に二人となき名婦にございます」
蕗問答 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
謙譲のつまはづれは、倨傲きょごうえりよりひんを備へて、尋常じんじょう姿容すがたかたち調ととのつて、焼地やけちりつく影も、水で描いたやうに涼しくも清爽さわやかであつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「お、今、チラとこっちを見た姿容すがたかたちは、たしかにあの者でござります」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
唯今ただいまもお尋ねの肝腎のそのあやしい婦人が、姿容すがたかたち、これがそれ御殿女中と申す一件——振袖ふりそで詰袖つめそでか、すそ模様でも着てござったか、年紀としごろは、顔立は、髪は、島田とやらか
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
青めりんすは引撲ひっぱたかないし、じれったくって、自烈じれったくってたまらない処へ、また余り姿容すがたかたちが天人になっておいでだから、これなり、ふッとどこかへ行ってしまいはしないだろうかと、夢中で血迷って
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)