大部だいぶ)” の例文
もっとちちときみかどからいだされ、いつもおそばつかえるとて、一年いちねん大部だいぶ不在勝るすがち、国元くにもとにはただおんな小供こどものこってるばかりでございました……。
此時このとき市街地しがいち大部だいぶ沈下ちんかしてうみとなつたといふこともしるしてあるから、前記現象ぜんきげんしようおこつた場所ばしよあたらしい地盤ぢばんたりしに相違そういなかるべく、埋立地うめたてちであつたかもれない。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
これで愈々いよいよ三造が疑わしくなるでしょう。それからもう一つ、私は三造の性癖について誰も知らないことを知っていました。もう大部だいぶ以前です。私がここへ来て間もなくのことです。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
寒月先生なお澄し返って「なに喜劇でも悲劇でもないさ。近頃は旧劇とか新劇とか大部だいぶやかましいから、僕も一つ新機軸を出して俳劇はいげきと云うのを作って見たのさ」「俳劇たどんなものだい」
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
たとえば、林道春はやしどうしゅんの編修した本朝通鑑ほんちょうつがんという大部だいぶな書物などがそれだ
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)