大威張おおいばり)” の例文
いままでどこをとんでいたのかもう今度で三度目だなんていう少し大きい方の人などが大威張おおいばりでやって来ていろいろその辺のことなど云うんだ。
風野又三郎 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
……勿論、を、いや、蚊帳かやころして飲むほどのものが、歩行あるくに日よけをするわけはない。蚊帳の方は、まだしかし人ぎきもはばかるが、洋傘の方は大威張おおいばりで持たずに済んだ。
栃の実 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
例年れいねん隣家となりを頼んだもち今年ことし自家うちくので、懇意こんいな車屋夫妻がうすきね蒸籠せいろうかままで荷車にぐるまに積んで来て、悉皆すっかり舂いてくれた。となり二軒に大威張おおいばり牡丹餅ぼたもちをくばる。肥後流ひごりゅう丸餅まるもちを造る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
甚内の身代りに首を打たれる——何とすばらしい事ではありませんか? そうすれば勿論わたしと一しょに、甚内の罪もほろんでしまう。——甚内は広い日本にっぽん国中、どこでも大威張おおいばりに歩けるのです。
報恩記 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
子供は嬉しそうな声を揚げて、部屋中大威張おおいばりで飛び廻った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
ですから、大威張おおいばり。それでなくッてはお声だって聞くことの出来ないのが、押懸おしかけて行って、無理にその材木に葉の繁った処をお目に懸けようと思って連出つれだして来たんです。
木精(三尺角拾遺) (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おかみさん、大威張おおいばりだ。」
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)