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壓
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おさへ
墨股の戰ひに少しく會稽の恥を
雪ぎたれども、新中納言(知盛)
軍機を
失して必勝の機を
外し、木曾の
壓と頼みし
城の四郎が
北陸の勇を
擧りし四萬餘騎、
餘五將軍の
遺武を負ひながら
然し
餘りに
能く
瘡痍其物の
性質を
識別した
醫者は、
彼に
其果敢ない
心を
訴へる
餘裕を
與へずに
彼を
頭から
壓る
樣に
揶揄うた。
彼は
其處に
何物をも
得ないで
遁るやうに
珊瑚樹の
木蔭を
出た。