場席ばせき)” の例文
これが芝居道でいう一間いっけん——一桝ひとますなので、場席ばせきを一間とってくれ、二間にけんほしいなどというのだった。
こうなると見物はただ、中にはいって場席ばせきを取れば、芝居しばいは始められるのであった。
ずん/\歩いて行くうちには、きつと何か新しい事に出逢ふに違ひ無い。乗つてゐる馬車からして己には面白い。巌畳に出来てゐて、場席ばせきも広い。己は先づゆつたりと身をくつろげた。
復讐 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
たれ一人ひとりよこるなんど場席ばせきはない。花枕はなまくら草枕くさまくら旅枕たびまくら皮枕かはまくらたてよこに、硝子窓がらすまど押着おしつけたかたたるや、浮嚢うきぶくろ取外とりはづした柄杓ひしやくたぬもののごとく、をりからそとのどしやぶりに、宛然さながら人間にんげん海月くらげる。
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)