城外じょうがい)” の例文
その一方の土手どてむこう、そとぼりをへだてた城外じょうがいやなぎのかげに、耳に手をかざして、館のなかの騒音そうおんをジッといている者がある。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「するとつぎ精舎しょうじゃだ。城外じょうがい柏林かしわばやしに千人の宿やどをつくるよう工作のものへってくれないか」
四又の百合 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
その時弥勒仏生まれて成道じょうどうし、くだんの聖王そのせがれ九百九十九人と弟子となって出家し一子のみ出家せずに王位をぐ。弥勒世尊、翅頭末しとうまつ城外じょうがい金剛荘厳道場こんごうしょうごんどうじょう竜華菩提樹下りゅうげぼだいじゅげで成道する。
しかしこわがることがあるものか、と思いなおしました。見ると、自分が今までにわ城外じょうがいの町などはずっと、下の方に見おろされました。してる人間が、豆粒まめつぶのように小さく見えました。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
「殿。善助がい参らせて、ご城外じょうがいまで一気に駆け脱けまする。おすがり下さいませ」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)