城内じょうない)” の例文
もうすっかり、竹童を旅の独楽まわしと思っているので小姓こしょうたちは、城内じょうないで聞きかじっていたことを、みんなベラベラしゃべってしまった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
げんの末に方国珍ほうこくちんと云う者が浙東せっとうの地に割拠すると、毎年まいねん正月十五日の上元じょうげんから五日間、明州みんしゅうで燈籠をけさしたので、城内じょうないの者はそれをて一晩中遊び戯れた。
牡丹灯籠 牡丹灯記 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
おも城内じょうない馬場ばば稽古けいこしたのですが、のちには乗馬じょうば鎌倉かまくら実家帰さとがえりをしたこともございます。従者じゅうしゃ男子だんしのみではこまりますので、一人ひとり腰元こしもとにも乗馬じょうば稽古けいこいたさせました。
半年前からわたしは城内じょうない文庫ぶんこにこもって、わたしの長い少年時代の思い出を、せっせと書きつづっていた。わたしたちはちょうど長男のマチアのために洗礼式せんれいしきを上げようとしている。
城内じょうないの者ならば、なにも、このんであんなところにひそんでいる必要ひつようはあるまい。第一、なんだかそのかげ大人おとななみの人間にしてはすこし小さい。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
戦闘たたかいはじまってから、女子供おんなこどもはむろんみな城内じょうないからされてりました。
わたりにふねというものだ、なにはともあれ、こいつに乗って城内じょうないりこんで見ようではないか」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)