四条しじょう)” の例文
旧字:四條
「なる程、備前岡山は中国での京の都。名もそのままの東山ひがしやまあり。この朝日川あさひがわ恰度ちょうど加茂川かもがわ京橋きょうばし四条しじょう大橋おおはしという見立じゃな」
備前天一坊 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
御尋ねの場面は、京都四条しじょう通りです。撮影日附は八月二十三日です。これは撮影日記によって御答えするのですから、万々ばんばん間違いはありません。
猟奇の果 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
四条しじょう坊門、五条油小路こうじあたりの町屋の末々に至るまで、それぞれに目ざす縁故をたどって運び出すのでございましょう、その三四ヶ月と申すものは
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
五条ごじょう四条しじょう三条さんじょうと、にぎやかなまちがつづいて、ひっきりなしにうまくるまとおって、おびただしい人が出ていました。
一寸法師 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
たとえば狩野かのう派・土佐とさ派・四条しじょう派をそれぞれこの三角の三つの頂点に近い所に配置して見ることもできはしないか。
日本人の自然観 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
四条しじょう五条の秋色はどんなに華やかなものかも知れない、築地ついじへいをめぐらし、中の島をしつらえた広大な庭に、彼は好む樹木を配して子供の時からの庭が作って見たかった。
津の国人 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
これは全く格別の趣きである。これは即ち南宗なんしゅう北宗ほくしゅうより土佐とさ住吉すみよし四条しじょう円山まるやまの諸派にも顧みられずわずかに下品極まる町絵師が版下絵はんしたえの材料にしかなり得なかった特種とくしゅの景色である。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
広重は四条しじょう派の山水に見るが如き濃淡を以て巧みに樹木風景を曇らす霞を描きたれど
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
四条しじょう坊門、五条油小路こうじあたりの町屋の末々に至るまで、それぞれに目ざす縁故をたどつて運び出すのでございませう、その三四ヶ月と申すものは、京の大路小路は東へ西への手車小車に埋めつくされ
雪の宿り (新字旧仮名) / 神西清(著)