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嘘言
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うそ
ふりがな文庫
“
嘘言
(
うそ
)” の例文
惣次郎が何かいうと、
嘘言
(
うそ
)
つきめ、おらを欺しやがってと、大ごえを上げて喚くのだった。妹が、
嫂
(
あね
)
さ嫂さと優しくしても碌な返事もしない。
和紙
(新字新仮名)
/
東野辺薫
(著)
と、宮川は
嘘言
(
うそ
)
をついた。美枝子のことをなぜ宮川が知っているか。それをいえば、矢部はきっとびっくりするに相違ない。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
吉原
(
なか
)
で大尽遊びをして来たと景気のいい
嘘言
(
うそ
)
を吐こうと思った勘次は、これでいささか出鼻を挫かれた形で
逡巡
(
たじたじ
)
となった。
釘抜藤吉捕物覚書:01 のの字の刀痕
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
だが、
嘘言
(
うそ
)
のてまえ、門の前に、ただ立っているのも、気が
咎
(
とが
)
めた。しかたなしに、忍川のふちを、地面をみながら、往ったり来たりしていた。
松のや露八
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
手紙をやつて私の云つたことに反對おし——今直ぐにも私の
嘘言
(
うそ
)
をおあばき。お前は私をいぢめる爲めに生れて來たのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
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イヤそれは
嘘言
(
うそ
)
だ、上村君にもし相手があったら北海道の土を
踏
(
ふま
)
ぬ先に変節していただろうと思う、女と言う
奴
(
やつ
)
が到底馬鈴薯主義を実行し
得
(
う
)
るもんじゃアない。
牛肉と馬鈴薯
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
翌
(
あく
)
る
日
(
ひ
)
、青年から、どうも
嘘言
(
うそ
)
を
吐
(
つ
)
いてすまなかった、軸はたしかに受取ったと云う
端書
(
はがき
)
が来た。自分はその端書を他の信書といっしょに重ねて、
乱箱
(
みだればこ
)
の中に入れた。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ホホホ。そうよ。アナタはプロの闘士よ。あたしはブルジョアの闘士……人間を棄ててしまった女優上りですからね。
嘘言
(
うそ
)
も不人情もお互い様よ。それでいいじゃないの」
女坑主
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
映画館を出てからは、急に尊大に、むっと不機嫌になって、みちみち一言も口をきかない。生れて、いまだ一度も
嘘言
(
うそ
)
というものをついた事が無いと、
躊躇
(
ちゅうちょ
)
せず公言している。
ろまん灯籠
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
思い懸けず、
余
(
あんま
)
り変ってはいたけれども、当人の女の
名告
(
なの
)
るものを、怪しいの、疑わしいの、
嘘言
(
うそ
)
だ、と云った処で仕方がない。まさか、とは考えるが、さて人の稼業である。
妖術
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「実はなお母さ、お母さに
嘘言
(
うそ
)
をついてすまなかったげんと、今日俺が八軒町さ出たのは大事なわけがあったでなん。」
和紙
(新字新仮名)
/
東野辺薫
(著)
大岡様の前に、
嘘言
(
うそ
)
をいって通らないことは、誰よりも一番よく心得ている金山寺屋音松である。死んだ気になって眼をつぶって、すっぱりと言った。
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
といって、他の六将が、
嘘言
(
うそ
)
を飾ったわけではない。宗治以外の者は、ただ真がいえなかった。総帥小早川隆景に対してばかりでなく、自分の心に対して
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
映画館を出てからは、急に尊大に、むっと不気嫌になって、みちみち一言も口をきかない。生れて、いまだ一度も
嘘言
(
うそ
)
というものをついたことがないと、
躊躇
(
ちゅうちょ
)
せず公言している。
愛と美について
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
トグロ巻いてる脳味噌ばかりは。ドンナ作用しているものやら。
真実
(
ほんと
)
のところが全くわからぬ。それを
嘘言
(
うそ
)
じゃと思うたお方は。古今東西あらゆる学者が。人の脳髄調べた書物を。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
あなたはそんな言葉でもつて私に
嘘言
(
うそ
)
を吐かせようとする。あなたは私の名譽を汚すのだ。私は變ることはあり得ないと云つた、それをあなたは私に向つて私が直ぐに變つてしまふと云つてゐる。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
矢部のいうことは
嘘言
(
うそ
)
ではないか。
脳の中の麗人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
なぜソンナに恐ろしい
嘘言
(
うそ
)
をついたのか、その時の気持がどうしてもわからないんですけど、真暗な雨風の中をすごいスピードで走る自動車の中で、すっかり憂鬱になっていた妾が
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
けれどもその
嘘言
(
うそ
)
は皆、真実を
材料
(
たね
)
にしたもので、ただ私がこの女の叔父であるという事と、馬に毒を
嘗
(
な
)
めさせたのを少年の
所為
(
せい
)
にしている事と、この二つのために全部が嘘に聞えているので
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「当り前ですよ。この世の中はソンナ様な神秘めかした
嘘言
(
うそ
)
ばっかりでみちみちているんですよ。だから何もかもブチ壊してみたくなるのです。何もない
空
(
から
)
っぽの真実の世界に返してみたくなるのです」
女坑主
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
これは私が生まれて初めて吐いた
嘘言
(
うそ
)
でした。
少女地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
この女は最前からかなりの
嘘言
(
うそ
)
を吐いている。
暗黒公使
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
嘘
漢検準1級
部首:⼝
14画
言
常用漢字
小2
部首:⾔
7画
“嘘言”で始まる語句
嘘言癖
嘘言家
嘘言だろう