呂布りょふ)” の例文
近づいてくると、その先頭には赤兎馬に踏みまたがった呂布りょふの姿が見えた。——はっと思うまもなく、呂布は、王允の姿を見つけて
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これより陳曹操の不仁をにくみ、次の宿でその熟睡に乗じ刺し殺さんとしたが思い直してこれを捨て去り、後日呂布りょふの参謀となって曹操に殺されたとある。
やがて、時刻となると、公卿百官は、宴に蝟集いしゅうした。すると、酒もたけなわの頃、どこからか、呂布りょふがあわただしく帰って来て
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その他項羽のすい呂布りょふの赤兎、張飛の玉追、遠顗の飛燕、梁武帝の照殿玉獅子等、なお多かるべし。本邦には「垂仁すいにん紀」に足往あゆきてふ名の犬見ゆるに、名馬に特号あるを見ず。
呂布りょふの勇猛には、それに当る者もなかった。丁原ていげんも、十方に馬を躍らせて、董卓軍を蹴ちらし、大将董卓のすがたを乱軍の中に見かけると
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一たん兵を退いて都の許昌に帰ってくると、曹操のところへ、徐州の呂布りょふから使者が来て、一名の捕虜を護送してよこした。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呂布りょふの城下に住み、徐州の客将だ。しかも先頃、曹操そうそうの推薦で朝廷から老後の扶養として禄二千石をうけたという。なにしろ名のある老人だ。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
王允おういんのことばを信じて、呂布りょふはその夜、素直に邸に帰ったもののなんとなく寝ぐるしくて、一晩中、熟睡できなかった。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこを去って、蕭関しょうかんとりでを後にすると、陳登は、暗夜に鞭をあげて、夜明け頃までにはまた、呂布りょふの陣へ帰っていた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
予や、この一剣をもって、若年、黄巾こうきんの賊をやぶり、呂布りょふをころし、袁術えんじゅつを亡ぼし、さらに袁紹えんしょうを平げて、深く朔北さくほくに軍馬をすすめ、ひるがえって遼東を定む。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ハハハハ、赤馬はよかったな。まさに後漢ごかん呂布りょふの愛馬赤兎せきとを思わす風がある。甥御さんと伺ったが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
久しく戦場に会わない赤兎馬は、きょうここに、呂布りょふ以来のを得、尾ぶるいしていなないた。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
董相国は、しょうの上に身を投げだして、茶をのんでいる様子。側には、きっと、呂布りょふが侍立していた。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「むかし後漢ごかん呂布りょふが愛していたという赤兎せきとにも勝りましょうな。書写山とは、馬の名もよし、安土のお厩を出たものなら鞍縁起くらえんぎも上々吉。きっとよい出世いたしましょう」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はじめは呂布りょふと親しみ、のち曹操に仕え、近頃また、袁紹えんしょうって、みな裏切っています。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
下邳へうつしたかといえば、申すまでもなく、かつては猛将呂布りょふがたて籠って、さんざんに丞相の軍をなやましたことのある難攻不落な地ですから、それでこのたびも、特に、関羽を
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丁原の養子で、呂布りょふという人間です。五原郡ごげんぐん(内蒙古・五原市)の生れで、あざな奉先ほうせん、弓馬の達者で天下無双と聞えています。あんな奴にかまったら大事おおごとですよ。避けるにくはなし。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかし濮陽ぼくよう呂布りょふを攻めて呂布にもてあそばれ、宛城えんじょう張繍ちょうしゅうと戦うて敗走し、また赤壁に周瑜しゅうゆを恐れ、華容かように関羽に遭って泣訴きゅうそして命を助かり、なおなお、近くは渭水いすい潼関どうかんの合戦に、ひげを切り
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呂布りょふは、やぐらに現れて
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)