トップ
>
吉祥寺
>
きちじょうじ
ふりがな文庫
“
吉祥寺
(
きちじょうじ
)” の例文
二年前(万治元年)の本郷
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
の火事、今年の正月の湯島天神門前の火事と、大きい火事だけでも三つ、その外小さい火事は毎晩だ。
銭形平次捕物控:135 火の呪い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
本郷
(
ほんごう
)
駒込
(
こまごめ
)
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
八百屋
(
やおや
)
のお七はお小姓の
吉三
(
きちざ
)
に惚れて……。」と節をつけて歌いながら、カラクリの
絵板
(
えいた
)
につけた綱を引張っていたが
伝通院
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
汽車に乗せたらと
謂
(
い
)
って、
荻窪
(
おぎくぼ
)
から汽車で
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
に送って、林の中に
繋
(
つな
)
いで置いたら、
頸
(
くび
)
に縄きれをぶらさげながら、一週間ぶりに
舞
(
ま
)
い
戻
(
もど
)
った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
に一軒、親しくしているスタンドバアがあって、すこしは無理もきくので、実はその前日そこのおばさんに
未帰還の友に
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
神谷は先方に気づかれぬよう、半丁も手前で自動車を降りて、運転手にここはどこだと尋ねると、なんでも
荻窪
(
おぎくぼ
)
と
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
の中ほどらしいとの答えであった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
▼ もっと見る
或年の夏の末、私の友人が私を
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
方面へ誘った、そして私の仕事の便宜上、その辺で住めばいいだろうといって地所や家を共に見てあるいたことがあった。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
麻布じゃあ、
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
の土地が欲しいって言い出すし、三ばん目のは会社の株が欲しいんだそうな。なかなか賑やかなことだった。ところで、お前さんはその場にいなかったんでね。
万年青
(新字新仮名)
/
矢田津世子
(著)
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
で省線を降りてから、禅林寺まで行く道の細い流の中で障子をせっせと洗っているのを、秋も深くなったと思いながら、
佇
(
たたず
)
んで見ていましたが、傍に小綺麗な百姓家があって
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
Y君は
染井
(
そめい
)
の墓地からという説を出した。私は
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
ではないかとも云ってみた。
さまよえるユダヤ人の手記より
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
梢
(
こずえ
)
をふり仰ぐと、
嫩葉
(
わかば
)
のふくらみに優しいものがチラつくようだった。樹木が、春さきの樹木の姿が、彼をかすかに慰めていた。
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
の下宿へ移ってからは、人は
稀
(
ま
)
れにしか
訪
(
たず
)
ねて来なかった。
永遠のみどり
(新字新仮名)
/
原民喜
(著)
日曜なので五十里さんと静栄さんと三人で久しぶりに、
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
の宮崎光男さんのアメチョコハウスに遊びに行ってみる。夕方ポーチで犬と遊んでいたら、上野山と云う洋画を描く人が遊びに来た。
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
主人は疲れて大にいやであったが、遠方から来たものを、と勉強して兎に角戸をあけて内に
請
(
しょう
)
じた。
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
から来たと云う車夫は、
柳行李
(
やなぎごうり
)
を置いて帰った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
そうして、スルメを二枚お土産にもらって、
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
駅に着いた時には、もう暗くなっていて、雪は一尺以上も積り、なおその上やまずひそひそと降っていました。
雪の夜の話
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
半世紀前の漁村には、駒込
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
の寺小姓くらいに、見えたのかも知れない。
胡堂百話
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ところが老人は亡妻の命日に駒込の
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
に
往
(
い
)
った時、一人の若い女が墓前に花を
手向
(
たむ
)
けているのを見て、不審のあまり、丁度狭い垣根の内のことで、女の方から気まりわるそうに辞儀をするまま
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
鶴はその日、森ちゃんを
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
駅まで送って、森ちゃんには高円寺行きの切符を、自分は三鷹行きの切符を買い、プラットフオムの混雑にまぎれて、そっと森ちゃんの手を握ってから、別れた。
犯人
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ある年の正月、石山の爺さんは年始に行くと
家
(
うち
)
を出たきり行方不明になった。探がし探がした結果、彼は
吉祥寺
(
きちじょうじ
)
、境間の鉄道線路の土をとった穴の中に真裸になって死んで居た。彼は酒が好きだった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
“吉祥寺”の解説
吉祥寺(きちじょうじ)は、東京都武蔵野市の東部に位置する地域。吉祥寺駅を中心とした商業地(繁華街)のほか、郊外は高級住宅街となっている。
由来は旧北多摩郡吉祥寺村であり、武蔵野市(武蔵野村・武蔵野町を含む)に1889年(明治22年)から1962年(昭和37年)までは大字として存在した。
(出典:Wikipedia)
吉
常用漢字
中学
部首:⼝
6画
祥
常用漢字
中学
部首:⽰
10画
寺
常用漢字
小2
部首:⼨
6画
“吉祥”で始まる語句
吉祥
吉祥天
吉祥天女
吉祥果
吉祥路
吉祥幡
吉祥房
吉祥菓
吉祥天像
吉祥酔境