合祀ごうし)” の例文
神社が合祀ごうしせられ氏子うじこが多くなると、そういう小さい団体はかずを増して、たがいに相手の心持こころもちが通ぜず、思いおもいなことをするようになったのである。
母の手毬歌 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
現に紀州では神社合祀ごうしを濫行し神林を伐り尽くして有益鳥類を失い、ために害虫おびただしく田畑にはびこり、霞網などを大枚出して買い入れ雀を捕えしむるに、一
路の左側に石の華表とりいのある社は、河津八幡宮かわづはちまんぐうで、元の祭神は天児屋根命あまこやねのみことであったが、後に河津三郎祐泰さぶろうすけやす及びその子の祐成すけなり時致ときむねの三人を合祀ごうししたものであった。
火傷した神様 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
信長の軍について、今日まで、諸処の合戦で死んだ者も、みな信長の胸に合祀ごうししてある。それが信長の心となって、艱苦にぶつかるたびに、信長を勇気づけてくれる。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
氷川神社は服部はっとり坂の小日向神社に合祀ごうしされることになって、社殿のあとは暫く空地あきちのままに残っていましたが、今では立ち木をり払って東京府の用地になっているようです。
半七捕物帳:55 かむろ蛇 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
彦少名命ひこすくなのみことを祀るともいうし、神功皇后じんぐうこうごうと応神天皇とを合祀ごうしするともいうし、あるいは女体であるともいうが、く紀州の加太かだの淡島神社の分祠で、裁縫その他の女芸一切
現時為政者たる人が浅薄な理想を実現せんとて神社合祀ごうしを励行し、只今も在職する有象無象大小の地方官公吏が斜二無二迎合して姦をなし、国家の精髄たる歴史をも民情をも構わず
既に先年合祀ごうしを強行して、いわゆる基本財産の多寡を標準とし、賄贈わいぞう請託を魂胆こんたんとし、邦家発達の次第をかんがうるに大必要なる古社を滅却し、一夜造りの淫祠を昇格し、その余弊今に除かれず