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各自
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おのおの
ふりがな文庫
“
各自
(
おのおの
)” の例文
「ええ、さて
各自
(
おのおの
)
には、すでに御本望をお遂げなされたのでありまするか。それとも、また
今夜
(
こよい
)
にも吉良邸へお討入りに相成りますかな。」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
工場の中も荒れていて
堆
(
うず
)
高く塵が積もっていたが打見たところ
諸種
(
すべて
)
の機械は
各自
(
おのおの
)
その位置に在るらしかった。
物凄き人喰い花の怪
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
彼らの
各自
(
おのおの
)
は各自に特有な
温
(
あたた
)
か
味
(
み
)
と
清々
(
すがすが
)
しさを、いつもの通り互いの上に、また僕の上に、心持よく加えた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
傍
(
ほとり
)
には黒衣めが、興に乗じて躍りゐしのみ、余の獣們は腹を満たして、
各自
(
おのおの
)
棲居
(
すみか
)
に帰りしかば、洞には絶えて
守護
(
まもり
)
なし。これより
彼処
(
かしこ
)
へ向ひたまはば、かの間道より
登
(
のぼり
)
たまへ。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
森を高く抜けると、三国
見霽
(
みはら
)
しの一面の広場になる。
赫
(
かっ
)
と射る日に、
手廂
(
てびさし
)
してこう
視
(
なが
)
むれば、松、桜、梅いろいろ樹の
状
(
さま
)
、枝の
振
(
ふり
)
の、
各自
(
おのおの
)
名ある神仙の形を映すのみ。
伯爵の釵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
当時、すなわち
永禄
(
えいろく
)
の頃には、備前の国は三人の大名が
各自
(
おのおの
)
三方に割居して、互いに勢いを揮っていた。谷津の城には浮田
直家
(
なおいえ
)
、龍の口城には
最所治部
(
さいしょじぶ
)
、船山城には
須々木豊前
(
すずきぶぜん
)
。
郷介法師
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
零砕
(
れいさい
)
の事実を
手繰
(
たぐ
)
り寄せれば寄せるほど、種が無尽蔵にあるように見えた時、またその無尽蔵にある種の
各自
(
おのおの
)
のうちには必ず帽子を
披
(
かぶ
)
らない男の姿が織り込まれているという事を発見した時
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
森を高く抜けると、
三国
(
さんごく
)
見霽
(
みはら
)
しの一面の広場に成る。
赫
(
かっ
)
と
射
(
い
)
る日に、
手廂
(
てびさし
)
して
恁
(
こ
)
う
視
(
なが
)
むれば、松、桜、梅いろ/\樹の
状
(
さま
)
、枝の
振
(
ふり
)
の、
各自
(
おのおの
)
名ある
神仙
(
しんせん
)
の形を映すのみ。
伯爵の釵
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
どうじゃな
各自
(
おのおの
)
、中津川の城下で、近頃こういう噂があるが、耳にしたことがござるかな? それは他でもござらぬが、三匹の狐が夜な夜な現われ、化け比べをするということじゃ
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
さて、そのときまでは、言ったごとく、陽気立って、何が出ても、ものが身に染むとまでには至らなかったが、物語の猫が物干の声になってから、
各自
(
おのおの
)
言合わせたように、膝が固まった。
吉原新話
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「わしの一番恐れるのは、彼奴らが
怜悧
(
りこう
)
になることじゃ。
各自
(
おのおの
)
意見をいい出すことじゃ。……そうなってはたまらない。……で、彼奴らはいついつまでも、魯鈍でおって貰わねばならぬ」
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
その
行方
(
ゆくえ
)
が分らぬなどと、騒ぐまいぞ、
各自
(
おのおの
)
。
悪獣篇
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
各
常用漢字
小4
部首:⼝
6画
自
常用漢字
小2
部首:⾃
6画
“各自”で始まる語句
各自方
各自区々