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口銭
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こうせん
ふりがな文庫
“
口銭
(
こうせん
)” の例文
旧字:
口錢
糸の取引をしたり、
唐物
(
とうぶつ
)
の輸入をしたり、金銀の
口銭
(
こうせん
)
を取ったり、その富の力の盛んなことは、外国までも響き渡るほどの大尽でありました。
大菩薩峠:16 道庵と鯔八の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
五百部限定出版なぞということになると、どうせ
自暴
(
やけ
)
だから豪華版で行く。
口銭
(
こうせん
)
を稼ぐくらいでは追っつかない。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
それで三割の
口銭
(
こうせん
)
と来ているのだから、食って行ける道理がなかった。時には売上げをみな使っても、その日の食いぶちが上って来ないことさえあった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
しかし、少年達は、
雲南
(
うんなん
)
省、
貴州
(
きしゅう
)
省、
其
(
そ
)
の他から、どんどん新規募集され、雇主の代理人に、前借の中から高い
口銭
(
こうせん
)
を引かれながら、後から後から連れて来られるのだ。
雲南守備兵
(新字新仮名)
/
木村荘十
(著)
三十円のものは
口銭
(
こうせん
)
や経費に二十円
遣
(
や
)
って五十円で買うつもりでいれば何の
間違
(
まちがい
)
はないものを、五十円のものを三十円で買う気になっていては世の中がスラリとは行かない。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
口銭
(
こうせん
)
をとってまとめるのだ。そういうほうの
公事
(
くじ
)
にも通じていて、おなじ
貸金
(
かし
)
の督促にしても、相手を見て緩急よろしきを得る。応対にも、
強腰
(
つよごし
)
弱腰
(
よわごし
)
の手ごころをも心得ている。
巷説享保図絵
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
学問のある人の書くような読み易い字で、帳面をば附けたなら私共の商売は上ったりで……。つまり
何分
(
なんぶ
)
かの
口銭
(
こうせん
)
を取った上に、数える時に儲ける。帳面に附ける時に又輪をかける。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
藤枝蔵人の
資本
(
もとで
)
を廻して、その
口銭
(
こうせん
)
を取っている佐野屋九助と、藤枝蔵人の金を二三百両も借り込んで、年中その利息に追われている伊勢屋玉吉ですが、この二人は藤枝蔵人をおびき出して
銭形平次捕物控:087 敵討果てて
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
かかる名蹟を畑として米の四、五俵得たりとて何の穫利ぞ。木戸銭取って見世物にしても、そんな
口銭
(
こうせん
)
は上がるなり。また備前国
邑久
(
おく
)
郡朝日村の
飯盛
(
いいもり
)
神社は、旧藩主の崇敬厚かりし大なる塚を祭る。
神社合祀に関する意見
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
二百でも三百でも
口銭
(
こうせん
)
が付いたら売ってしまう積りで、通りかかった屑屋の鉄さんを呼んで、店のまえであの掛地をみせているところへ、横合いからあの人が出て来て、何でもおれに売ってくれろと
半七捕物帳:27 化け銀杏
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
矢田さんは大きかったです。ドデン/\と行きますから、
口銭
(
こうせん
)
の稼げること随一でした。それに芽を
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
日出男や、お前が
俺
(
わし
)
の後を継ぎたいと自発的に言ってくれるのは俺も嬉しいが、家の商売はこれでナカ/\楽じゃないよ。お客さまの御用を足して
口銭
(
こうせん
)
を稼ぐのだから、会社へ時間で勤めて月給を
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
“口銭”の意味
《名詞》
口銭(こうせん、くちせん、くちぜに)
口利き(くちきき)料。代理販売した際の販売したことに関する手数料。
(江戸時代)年貢を銭で納める場合の割り増し。口永。
(出典:Wiktionary)
口
常用漢字
小1
部首:⼝
3画
銭
常用漢字
小6
部首:⾦
14画
“口”で始まる語句
口惜
口
口吻
口説
口髭
口籠
口許
口上
口調
口々