)” の例文
旧字:
『笑い事ではござらぬ。まだ微禄びろくだし、何の御奉公いも現しておらぬ故、遠慮申しているが、何ぞの折に、めとろうと考えておる』
濞かみ浪人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こういう折でもなければ、十石の扶持ふちでも上げられる時勢ではないし、一藩に認められるのもこんな時こそ侍のはたらいというものだった。
(新字新仮名) / 吉川英治(著)
「この上は、臣らの力も及びませぬ。……あわれ、お頼りいもない家来をおもち遊ばしたのが御不運でした。今は是非なしと、お覚悟のおしたくを」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「はははは。ま、そうでしょうな。風月を楽しめる世ではありませんから、道楽かといわれれば、そんなところを、いとしているのかもしれませぬ」
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
てまえどもが仕事に腕を磨きあい、仕事にいを持ちえてきたのも、上に御所さまのような、ご庇護と理解のあるお方が、おいでたからでございまする
私本太平記:08 新田帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『お詫びは、今も申した通り、兵庫からせねばなりませぬ。折角の一諾も、お引き請けいもなくて』
夕顔の門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、貧乏と、これだけの事だったら、まだまだ母は働きいもあったろう。
「思いもよらぬ大任ですが、はたらいのあるお命じ。心得まいてござりまする」
私本太平記:03 みなかみ帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「うちの良人ひとの心配事さ。あれ、あんな顔してるわ。兄弟いのないおひとね」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし春海氏にいわせると「名古屋は焼けいがあった」そうである。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とがめなしの言い渡しだけで、みんなほっとしておりますよ。考えてみれば、私たちも、武大さんにとって、近所いがなかったというもんです。なんでその上、こんなお金をいただけましょう。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ほかの生きいを、胎児たいじのように、今はさぐっている気もちであろう。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、諸国の武将のたのいある者を、物色していた時なのである。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……としたら、ここは職人一代の仕事いでもなかろうかい
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
取り逃がして、何のいがあるもんかよ
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たのいなくは思うだろうがな
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)