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利口者
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りこうもの
しかし
奇妙なことには、重吉は目から鼻へ
抜けるほどの
利口者でしたが、六兵衛は
反対に何をやらせても、のろまで
馬鹿でした。
得つと名も吉之助と呼び
實子の如く
寵愛しけり或夜夫婦は
寢物語に吉之助は年に
似氣なき
利口者にて何一ツ
不足なき生れ付
器量といひ人品迄よくも
揃し者なり我々に子
無れば年頃
神佛に
祈りし
誠心を
見ると
直樣莞爾々々しながら
押頂きて
懷中へ
仕舞ふ
故大岡殿コレ/\小僧
其處で
喰よと言はれしかば三吉ヘイ有難う御座いますが
家へ
持て
行番頭
樣に見せてから
喰ないと
叱られますと申すに大岡殿オヽ
然樣か手前は
利口者だサア夫れなら今一ツ遣はさうと此度は自身に
縁側まで
持出られ手渡しにして
直に
喰よ/\と申されしに三吉は