別府べっぷ)” の例文
そのとき、別府べっぷさんは、ひざの上のバットをコツンと地面においた。そして、ななめ右まえにすわっている星野ほしのの顔を、正面から見た。
星野くんの二塁打 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
それは一つの大きい謎であった。司令部内で知っていたのは、司令官の別府べっぷ大将と、その信頼すべき副官の湯河原ゆがわら中佐とだけであった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
汽車の中で小倉の宿は満員らしいと聴いたので、別府べっぷの温泉宿にとまり、そこから毎朝一番の汽車で小倉通いをすることにした。
競馬 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
別府べっぷにはあきさまの御別荘がおありですから、それはよろしう御座いますの。随分前から御一緒に行くお約束になっていて、やっと参りましたのよ。
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
せめて別府べっぷ行きの紅丸でもいいから、それに乗ってあのペンキのにおいをぎ廻って見たいと思う。鼻から彼南ペナン、印度洋、マルセイユがよみがえってくるのだ。
細工は各地で多かれ少かれ見られますが、特に名を高めたのは別府べっぷの仕事であります。そこに行きますと、如何いかに様々なものが竹で作られているかを見られるでしょう。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
伯父のいるのは由布院ゆふいんという所で、九州の別府べっぷ温泉と同じ系統に属する辺鄙へんぴの温泉地である。
由布院行 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
私などの幼ない頃には石菖せきしょうという草の穂を取って、これをつっぱりにして目を張り、よってまたこの植物をメハジキといっていた。大分別府べっぷの近くではメツッパリとも呼んでいる。
別府べっぷの新七という道中稼ぎ、った紙入れには、郁次郎が長崎表から江戸へ送金した為替札かわせふだと、また、女笛師のお雪と、取り交わした恋文などが、中にかくされてあったではござりませぬか
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
星野ほしのは、それをちらっと見て、ベンチへ行った。キャプテンの喜多きたと、監督かんとくをしている大学生の別府べっぷさんが、かれを待っていた。
星野くんの二塁打 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
したがって既に発表しましたプログラムは、すべて中止となりましたので、あしからず御承知を願います。それでは唯今より、東京警備司令官別府べっぷ大将の布告ふこくがございます
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
たぶん今の別府べっぷの温泉の近くでありましょうが、玖倍利くべり湯の井という温泉は、いつも黒い泥が一ぱいになって湯は流れないが、人がこっそりと湯口の傍に近より、ふいに大きな声を出して何かいうと
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そこへ、監督かんとく別府べっぷさんがすがたをあらわした。選手せんしゅたちは、別府べっぷさんのまわりに集まって、めいめい、ぼうしをぬいで、あいさつをした。
星野くんの二塁打 (新字新仮名) / 吉田甲子太郎(著)
そこへ現われた人物は、紛れもなく、別府べっぷ司令官であった。
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
同 別府べっぷ
こども風土記 (新字新仮名) / 柳田国男(著)