内意ないい)” の例文
……加ふるに、紫玉がかついだ装束は、貴重なる宝物ほうもつであるから、驚破すわと言はばさし掛けてらすまいための、鎌倉殿の内意ないいであつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
經廻へめぐ同類どうるゐを語らひ今般こんぱん將軍の御落胤おんおとしだねなりと名乘出候に相違さうゐ御座なく候としたゝめたれば扨々にく惡僧あくそうなり如何に越前此調このしらべは伊豆守の内意ないいを受て紀州表を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
菊亭右大臣きくていうだいじんさまのおはからいで、おそれ多くも、あるご内意ないいがくだったのだ」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かまへ是へ御引移ひきうつりあるべしとて此旅館のかり受方には伊賀亮が内意ないいを受則ち常樂院が出立する事にぞさだまりぬ頃は享保きやうほ十一午年うまどし三月朔日ついたち常樂院は美濃國長洞ながほら村を出立し道を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
伊豆が心付て内意ないい有たるに相違なきや越前如何いかゞぢやとの上意に越前守發と平伏へいふくなし只今伊豆守より言上ごんじやう仕り候通り毛頭もうとう相違御座なく候委細ゐさいは此書面にしたゝめしとて書付を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)