元締もとじめ)” の例文
欲しいのは、そういう各地の試験や調査の元締もとじめをするところであって、今度ウィルメットに出来たのは、いわば中央機関なのである。
ウィネッカの冬 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
PIMPの元締もとじめが映画的に活躍して、夜のピキャデリなんかを迂路うろついてるぽっと出の女や、ボア・ドュ・ブウロウニュを散策中の若奥さまや
東山道中十七駅の元締もとじめに任じて来た人で、維新間ぎわまでは同郷の香蔵と相携えて国事に奔走し、あるいは京都まで出て幾多の政変のうずの中にも立ち
夜明け前:04 第二部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
結局これは心霊波の元締もとじめをやって居る守護神しゅごじんというものに頼んで、その電波をめて貰うより仕様しようがない、あなたをひとつ心霊研究会へ御紹介するから
伝吉が見たようなと、思ったのも道理で、その男は、同業だが仲の悪い、宮津方の用達元締もとじめをしている、舞鶴の新造の身内で、独鈷どっこ仁三にざという者だった。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「左様、女軽業の元締もとじめとか言いおったが、彫物ほりものの一つもありそうな女じゃ、しかし悪党ではないらしい」
昼間は、ときどき万年町の元締もとじめからくる毎日の新しい小唄を予習することにわれていたが、もとよりメロディばかりを弾くのであるから、それほど困難ではなかった。
幻影の都市 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
したの又かれ無學文盲むがくもんまうの何も知らぬ山師醫者の元締もとじめなりなど湯屋ゆやの二かい髮結床かみゆひどこなどにて長庵の惡評あくひやうきく夏蠅うるさきばかりなれば果はいのちの入ぬのか又はしにたく思ふ人は長庵のくすり
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
浮世草子界の元締もとじめともいうべき八文字屋の崩壊に遭遇して、はげしい自己反省と自己嫌悪のすえ、方向転換を考えなければならなくなった秋成に、怪異小説・翻案小説の流行は
雨月物語:04 解説 (新字新仮名) / 鵜月洋(著)
浮世草子界の元締もとじめともいうべき八文字屋の崩壊に遭遇して、はげしい自己反省と自己嫌悪のすえ、方向転換を考えなければならなくなった秋成に、怪異小説・翻案小説の流行は
モスクワには、有名なシェカリンスキイが元締もとじめをしている富豪連の賭博の会があった。
それで私は砲術家の一切の元締もとじめになって、何もかも私が一切取扱とりあつかって居る。
福翁自伝:02 福翁自伝 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
従うて賃銀の支払方法も今風いまふうで、きっと元締もとじめのような者がもうできていることと思うが、前からある者は田植の投資期にはただ食わせてもらうだけで帰って行き、秋の収穫季に今一度って来て
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)