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傍人
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ぼうじん
ふりがな文庫
“
傍人
(
ぼうじん
)” の例文
途中で犬に
吠
(
ほ
)
えられる。ワーと泣いて帰る。御母さんがいっしょになってワーと泣かぬ以上は、
傍人
(
ぼうじん
)
が泣かんでも出来損いの御母さんとは云われぬ。
写生文
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
酒気を帯びて新道の店に来り、入場料を払ひて場内に入りしが、突然彼の鱷を飼養しあるブリツキ盤に近づき、
傍人
(
ぼうじん
)
に一語を交へずして鱷の口内に闖入せり。
鱷
(新字旧仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
四十九日の
配物
(
くばりもの
)
が済んだ頃から遊所に通いはじめ、
漸
(
ようや
)
く馴れては
傍人
(
ぼうじん
)
の思わくをも顧みぬようになった。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
とは、信長の幼少から
守役
(
もりやく
)
の平手中務が、何か持て余すたびに
傍人
(
ぼうじん
)
へもらして来た嘆息だった。
新書太閤記:01 第一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
空論ばかりにては
傍人
(
ぼうじん
)
に解しがたく、実例につきて評せよとの御言葉ごもっともと
存
(
ぞんじ
)
候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
▼ もっと見る
傍人
(
ぼうじん
)
に示さぬのを常としたのである。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「振落されるのは嫌じゃから、あらかじめ、馬のごきげんを取って乗る。しかし、
傍人
(
ぼうじん
)
に
怪訝
(
いぶか
)
られるほど、それが目立つとすればわしにも到らぬ点がある。以後は気をつけよう」
梅里先生行状記
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
余が鮮血を多量に
吐
(
は
)
いて
傍人
(
ぼうじん
)
からとうてい回復の見込がないように思われた二三日
後
(
あと
)
、森成さんが病院の用事だからと云って、ちょっと東京へ帰ったのは、生前に一度院長に会うためで
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
むしろ病めば病むほど、
傍人
(
ぼうじん
)
の案じるのをも押して、軍務に精励してやまない彼であった。近頃聞くに、敵の軍中には、また気負うこと
旺
(
さかん
)
なる将士が、大いに
司馬懿
(
しばい
)
の
怯惰
(
きょうだ
)
を罵って
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
羽柴とも、筑前ともいわず、あれがかといって、
傍人
(
ぼうじん
)
に口汚く
嗤
(
わら
)
ったそうである。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
百合若大臣
(
ゆりわかだいじん
)
軍
(
いくさ
)
にしつかれ、熟睡せられしにも超えたり。
傍人
(
ぼうじん
)
、笑止に思ひ
侍
(
はべ
)
りていふ。およそ、人の気根もつづく程こそ有るべけれ。
去
(
い
)
ぬる年のうちは、つひに夜の
隙
(
ひま
)
さへ穏かならざりし。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“傍人”の意味
《名詞》
傍人(ぼうじん)
近くにいる人。
(出典:Wiktionary)
傍
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“傍”で始まる語句
傍
傍目
傍若無人
傍見
傍輩
傍観
傍題
傍杖
傍道
傍眼