人前にんまえ)” の例文
父親ちちおやは、なまもので、その教育きょういくができないために、行商ぎょうしょうにきたひとにくれたのが、いま一人前にんまえおとことなって、都会とかい相当そうとうみせしている。
空晴れて (新字新仮名) / 小川未明(著)
人前にんまえ、一人分にんぶん、一ととおり、人並ひとなみ、十人並にんなみ、男一ぴきの任務などいう言葉はわれわれのつねに聞くところである。なかんずく一人前という言葉は種々の場合に応用されている。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
「こんどから、おまえにも選挙権せんきょけんがあるんだね。りっぱな人間にんげん人前にんまえになれたというものだ。だから、とうと権利けんりをむだにしてはいけないよ。」
心の芽 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おのれは一人前にんまえの仕事をしたであろうか」
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
そして、十五、六のころ、とおまちのほうこうにやられて、そこで一人前にんまえ職工しょっこうとなったのですが、かたときもわすれなかった、なつかしいははは、そのあいだんでしまいました。
しらかばの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)