于禁うきん)” の例文
「今さら、何の言い訳もございません。于禁うきんはそれをさとって、それがしにも注意しましたが、後悔すでに及ばなかったのであります」
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
兵糧輜重しちょうなどを主とした後陣の守りには、于禁うきん、李典の二将をおき、自身は副将の夏侯蘭、護軍ごぐん韓浩かんこうの二人を具して、さらにすすんだ。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹操はひそかに于禁うきんをよんで、なにか秘密な命令をさずけた。于禁は屈強なものばかり五百余騎をひッさげて、直ちにあとを追いかけた。
三国志:07 赤壁の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
于禁うきんが陣中見舞に来て、そのはなしを聞き、とうてい、関羽に勝つことは尋常では難しい、生命いのちを粗末にし給うな、と諫めた。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すると、一方からまた、曹操の部下于禁うきんの人数が、わっと迫り、于禁は軍勢の中にもまれながら、弓をつがえて、馬超を遠くから狙っていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
関羽の前には、魏の総司令于禁うきんも捕虜になって引っ立てられて来た。于禁は哀号して、助命をすがった。関羽は愍笑びんしょうして
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
于禁うきんは、背に板を負わせて、かきをきずかせればよく似合うし、夏侯惇は片目だから眼医者の薬籠でも持たせたら、恰好かっこうな薬持ちになれるだろうに。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜が白むと、鄴都ぎょうとの街には、鉦太鼓かねたいこの音がやかましかった。于禁うきん一族や七手の大将が、それぞれ出陣する触れである。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
顧みれば、呂虔りょけんとか于禁うきんなどの幕将まで負傷している。無数の輜重しちょうは敵地へ捨ててきた。——ああ。仰げば、暮山すでにくらく陽はかげろうとしている。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
西軍の鉄壁陣は、許褚きょちょ張遼ちょうりょう徐晃じょこう李典りてん楽進がくしん于禁うきんなどの諸大隊をつらねて、あたかも人馬の長城を形成している。——その真ん中をぱっと割って
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
曹操は、呵々かかと大笑しながら、膝をたたいて、——壮なるかな、さらば参られよと、五万の軍勢を与え、于禁うきん楽進がくしんのふたりを副将として添えてやった。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
隊伍は紛裂ふんれつし、士気はととのわず、思い思いの敵と駈けあわすうち、敵の東のほうからは張遼ちょうりょうの一陣、西のほうからは許褚きょちょ、南からは于禁うきん、北からは李典。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、曹操は、ほれぼれと見送っていたが、つき従う李典りてん于禁うきん許褚きょちょなどは、口を極めて、怒りながら
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
江上に待っていた呉侯孫権は、諸将をき従えて入城した。そして直ちに降参の将潘濬はんしゅんを見、その乞いを容れて呉軍に加え、また獄中にあった魏の虜将りょしょう于禁うきんをひき出して
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
張遼ちょうりょう許褚きょちょ徐晃じょこう于禁うきんなどのともがらが争って追いかけたが、黄河の支流で見失ってしまった。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
于禁うきん張郃ちょうこうが、同時に、馬超へおどりかかった。馬超は、左右の雄敵を、あざやかにかわしながら、一転、馬の腹を高く覗かせて、うしろへ廻った敵の李通を槍で突き落した。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがみな樊川はんせん地方の敗戦を伝え、七軍の全滅、龐徳ほうとくの戦死、于禁うきんの投降などが、ひろく国中へ漏れたため、庶民まで上を下へと騒動して、はやくも関羽軍が攻め入るものとおびえ
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
于禁うきんが謀叛を起して、青州の軍馬を殺した」といって、青州の兵らが訴えてきた。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
で、暗夜に山路を越え、李典りてん曹洪そうこう于禁うきん典韋てんいなどを従えて、不意に攻めこんだ。
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
呉の大才魯粛ろしゅくを凡人の中から抜いたのは、そのそうです。呂蒙りょもうを士卒から抜擢ばってきしたのはその明です。于禁うきんをとらえて殺さず、その仁です。荊州を取るに一兵も損ぜなかったのは、その智です。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)