二足三足ふたあしみあし)” の例文
『おうら、おうら。』とつたが、返事へんじない。雪枝ゆきえうきよろ/\しした、それ二足三足ふたあしみあしづゝ、前後左右ぜんごさいうを、ばた/\とつたり、たり……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
が、二足三足ふたあしみあし踏み出したと思うと、「御主おんあるじ」と、切れ切れに叫んだなり、茫然とそこへ立ちすくんでしまった。
神神の微笑 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
二足三足ふたあしみあしつきてゆけば、「かしこなる陶物すえものの間見たまいしや、東洋産の花瓶はながめに知らぬ草木鳥獣など染めつけたるを、われにきあかさん人おん身のほかになし、いざ」
文づかい (新字新仮名) / 森鴎外(著)
すると、子供こどもは、やっと父親ちちおやのあとについてきましたが、また、二足三足ふたあしみあしあるくと、またまって、こんどはあたまうえがったえだをながめてわらっていました。
幾年もたった後 (新字新仮名) / 小川未明(著)
品子さんは、いぶかしさの余り、障子を開けて、二足三足ふたあしみあし、その床の間の方へ近づいて行った。
妖虫 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
いだくように胸のあたりまで火の上にかざしつ、眼しばだたきてありしが、いざとばかり腰うちのばし、二足三足ふたあしみあしゆかんとして立ちかえれり、燃えのこりたる木の端々はしばし掻集かきあつめて火に加えつ
たき火 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)