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じゞやう
が、
此の
手紙を
後生大事と
収つておく
処から
見ると、
其後何かの
事情で、
互に
隔たつてはゐても、
心は
今に
隔てぬ
中だと
云ふことは
明かである。
一つは二人
共躰に
惡い
病を
有ツてゐるからでもあらうが、一つはまた
面白くない
家内の
事情が
益々其の
念を
助長せしむるやうになツてゐるので、
自然陰欝な、
晴々しない
南明館あたりの
暗い
横町で
初めて
口を
利合ひ、
其からちよく/\
男の
下宿へも
出入した
事情が
大体判る。