争論いさかい)” の例文
旧字:爭論
只、勝次郎が、可成盛に漁色のたくるので、之が原因もと始終中しょっちゅう争論いさかいの絶え間が無い。時々ヒステリーを起して、近所の迷惑にもなる。
越後獅子 (新字新仮名) / 羽志主水(著)
せがれと嫁の絶えない争論いさかいめかあらたに幾本目かの皺がおもてにはっきり刻まれていたが、でも彼女はだまんざら捨てたものではないと独りで決めていた。
目撃者 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
二人はちっとも争論いさかいをしなくなりました。その代り、何となく憂容うれいがおをして、時々ソッと嘆息ためいきをするようになりました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
内儀いえはんういう最中で争論いさかいをしては済みまへんが、一寸ちょっとこれにいておはなしがあるんでおす、一昨夜おとついわたいが一寸用場へ参りまして用をしてから、手を洗うていると
闇夜の梅 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
又何か、両親同士で、争論いさかいをしているらしいのである。左兵衛佐は、父にあの事変があって以来、六十歳にもなるこの両親の間に迄、一つの大きな亀裂ひびが入ったことを何よりも残念に思った。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
只の一度も争論いさかいなどしたことはなかった。そうした交情は、彼女にとってはあたかも終身年金の支払をうけているようなもので、それが突然に終りをつげるというようなことは夢にも思えなかった。
フェリシテ (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
私たちは時々争論いさかいをしました。けれどもすぐに和平なかなおりをして、学校ゴツコや何かをするのでした。私はよくアヤ子を生徒にして、聖書の言葉や、字の書き方を教えてやりました。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
仮令たといしゅうでも家来でもお家の為を思う者を用いなければ止むを得んから主家しゅかを出る、飢死うえじにしても此の屋敷には居らんと、重役の者と争論いさかいを致しまして家出を致しまして四ヶ年程浪人致して居りました
政談月の鏡 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)