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一天
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いってん
ふりがな文庫
“
一天
(
いってん
)” の例文
折から
一天
(
いってん
)
俄
(
にわか
)
に
掻曇
(
かきくも
)
りて、
颷
(
ど
)
と吹下す風は海原を
揉立
(
もみた
)
つれば、船は
一支
(
ひとささえ
)
も
支
(
ささ
)
えず矢を射るばかりに突進して、
無二無三
(
むにむさん
)
に沖合へ流されたり。
取舵
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
以前は、
一天
(
いってん
)
俄
(
にわか
)
に
掻
(
か
)
き曇って、ゴロゴロゴロゴロ鳴り出すと、とてもじっとして、家になんぞ、落ちついていられるもんではない。大急ぎで着物を着換えて停車場へ駈けつける。
雷嫌いの話
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
日暮方から
鳴出
(
なりだ
)
した雷は
益々
(
ますます
)
すさまじくなって、
一天
(
いってん
)
墨を流したようで、
篠突
(
しのつ
)
く大雨、ぴかりぴかりと
電
(
いなずま
)
が目の
眩
(
くら
)
むばかり障子に
映
(
うつ
)
って、その
毎
(
たび
)
に天地も
覆
(
くつがえ
)
るように
雷
(
いかずち
)
が鳴り渡る
稚子ヶ淵
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「正月三日、
寅
(
とら
)
の
一天
(
いってん
)
に、ツンテン、まします
若夷
(
わかえびす
)
、………」と、可愛い右の人差指を真っ直ぐに立てて天を
指
(
ゆびさ
)
した
頑是
(
がんぜ
)
ない姿なども、つい昨日のことのようにはっきりと眼に残っているのに
細雪:01 上巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
時刻はそろそろ十三日の
寅
(
とら
)
の
一天
(
いってん
)
(午前四時)に近かった。
私本太平記:06 八荒帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
と出家は
法衣
(
ころも
)
でずいと立って、
廂
(
ひさし
)
から指を出して、
御堂
(
みどう
)
の山を左の
方
(
かた
)
へぐいと指した。立ち方の
唐突
(
だしぬけ
)
なのと、急なのと、
目前
(
めさき
)
を
塞
(
ふさ
)
いだ
墨染
(
すみぞめ
)
に、
一天
(
いってん
)
する
墨
(
すみ
)
を流すかと、
袖
(
そで
)
は障子を包んだのである。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“一天”の意味
《名詞》
大空。一面のそら。
全世界。天下。
(出典:Wiktionary)
一
常用漢字
小1
部首:⼀
1画
天
常用漢字
小1
部首:⼤
4画
“一天”で始まる語句
一天万乗
一天張
一天下
一天井
一天霖
一天晦冥