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一國一城
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いつこくいちじやう
此の
勢に
乘じて、
立處に
一國一城の
主と
志して
狙をつけたのは、あらう
事か、
用人團右衞門の
御新造、おきみ、と
云ふ、
年は
漸く
二十と
聞く
且又同じ
一國一城の
主と
成るにも
猛者が
夜撃朝懸とは
質が
違ふ。
色男の
仕こなしは、
情を
含んで、しめやかに、もの
柔しく、
身にしみ/″\とした
風が
天晴武者振であるのである。
此の
勢に
乘じて、
立所に
一國一城の
主と
志して
狙をつけたのは、あらう
事か、
用人團右衞門の
御新姐、おくみと
云ふ
年は
漸う
二十と
聞く、
如何にも、
一國一城に
較へつべき
至つて
美しいのであつた。
如何にも
一國一城にたとへつべき
至つて
美しいのであつた。