“よりく”の漢字の書き方と例文
語句割合
寄来100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
忽(たちま)ち一閃(いつせん)の光ありて焼跡を貫く道の畔(ほとり)を照しけるが、その燈(ともしび)の此方(こなた)に向ひて近(ちかづ)くは、巡査の見尤(みとが)めて寄来(よりく)るなり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
お村は昨夜(ゆうべ)の夜半より、藪の真中(まなか)に打込(うちこ)まれ、身動きだにもならざるに、酒の香(か)を慕(した)ひて寄来(よりく)る蚊(か)の群は謂ふも更(さら)なり、何十年を経たりけむ、天日(てんじつ)を蔽隠(おおひかく)して昼猶(なほ)闇(くら)き大藪なれば
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
帽子も鉄鞭(てつべん)も、懐(ふところ)にせしブックも、薩摩下駄(さつまげた)の隻(かたし)も投散されたる中に、酔客(すいかく)は半ば身を擡(もた)げて血を流せる右の高頬(たかほ)を平手に掩(おほ)ひつつ寄来(よりく)る婦人を打見遣(うちみや)りつ。彼はその前に先(ま)づ懦(わるび)れず会釈して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
例の物見高き町中なりければ、この忙(せはし)き際(きは)をも忘れて、寄来(よりく)る人数(にんず)は蟻(あり)の甘きを探りたるやうに、一面には遭難者の土に踞(つくば)へる周辺(めぐり)を擁し、一面には婦人の左右に傍(そ)ひて、目に物見んと揉立(もみた)てたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)