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ふがう
「この
電報を
打つて
來た。
巖谷の
許だ、
局待にして、
返辭を
持つて
歸るんだよ。
急ぐんだよ。」で、
局で、
局待と
言ふと、
局員が
字數を
算へて、
局待には
二字分の
符號がいる。
片側のまばら
垣、
一重に、ごしや/\と
立亂れ、
或は
缺け、
或は
傾き、
或は
崩れた
石塔の、
横鬢と
思ふ
處へ、
胡粉で
白く、さま/″\な
符號がつけてある。
卵塔場の
移轉の
準備らしい。
それらの士は、俗悪なる新画に巨万の
黄金を
抛つて顧みない天下の
富豪に
比べると、少くとも趣味の独立してゐる点で尊敬に
価する人々である。