“ひょうぜん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
飄然90.6%
漂然5.1%
瓢然2.6%
諷然0.9%
飃然0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
おれは飄然ひょうぜんと日本から影を消し、徳川万太郎は失意の結果、身を隠したのだろうと人の取沙汰とりざたする時分に、羅馬王朝の貴族となり
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういうふうに彼は二年も三年も漂然ひょうぜんといなくなって、現れるとムッツリとした風貌ふうぼうを示し、やがてまた人々に送られて、至極満足そうなニコニコ顔で出かけた。
旧聞日本橋:08 木魚の顔 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
瓢然ひょうぜんたる一種の道楽息子と成果てつ、家にあっては父母を養うの資力なく、世にたっては父母をあらわすの名声なし、思えば我は実に不幸の子なりき。
父の墓 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
やがて落葉を踏む音して、お杉ばばあ諷然ひょうぜんと帰って来た。男は黙って鳥をかじっていた。二人共に暫時しばしは何のことばをも交さなかったが、お杉の方からしずかに口を切った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
独語ひとりごとのように云って、お杉は矗然すっくあがったかと見るうちに、左右の人々を一々め廻しながら、彼女かれはふらふらと歩き出した。加之しかも今の騒動さわぎは忘れたように、諷然ひょうぜんと表へ出て行った。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
その渦中に二十一歳のショパンが飃然ひょうぜんとして若い姿を現したのである。
楽聖物語 (新字新仮名) / 野村胡堂野村あらえびす(著)