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漂然
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ひょうぜん
ふりがな文庫
“
漂然
(
ひょうぜん
)” の例文
妹のものに違いないのですが、さっき
漂然
(
ひょうぜん
)
と帰宅した本物の妹も、あれと同じ衣類を着、同じハンドバッグや、コンパクトなどを持っているのです。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そういうふうに彼は二年も三年も
漂然
(
ひょうぜん
)
といなくなって、現れるとムッツリとした
風貌
(
ふうぼう
)
を示し、やがてまた人々に送られて、至極満足そうなニコニコ顔で出かけた。
旧聞日本橋:08 木魚の顔
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
そうしてなかば静養を口実に、好きな旅にばかり出ているようだったが、夏のさなかの或る日なんぞ、新しく出来た愛人を携えて、
漂然
(
ひょうぜん
)
と軽井沢に立ち現われたりした。
木の十字架
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
しかも今宵という日に、
漂然
(
ひょうぜん
)
ともどって見えられた。しかも生きていられ健やかであった。
津の国人
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
予もまた今年の五月の初め、
漂然
(
ひょうぜん
)
として春まだ浅き北海の客となった一人である。年若く身は
痩
(
や
)
せて心のままに風と来り風と去る漂遊の児であれば、もとより
一攫千金
(
いっかくせんきん
)
を夢みてきたのではない。
初めて見たる小樽
(新字新仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
二人が手を取り合って、最後の覚悟を語りあっているところへ、横合から
漂然
(
ひょうぜん
)
と流れて来た一個の
巨船
(
きょせん
)
——それこそ意外中の意外、というべき猿田飛行士が乗り逃げをした
筈
(
はず
)
の新宇宙号だった。
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
漂
常用漢字
中学
部首:⽔
14画
然
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“漂”で始まる語句
漂
漂泊
漂渺
漂浪
漂流
漂着
漂蕩
漂浪人
漂泊者
漂白