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ひちまんごく
六三暇を
傳へ
聞くより、
心むすぼほれて
解くること
無く、
扨も
慈愛ふかき
兄君が
罪とも
言はでさし
置給ふ
勿体なさ、
身は
七万石の
末に
生れて
親は
玉とも
愛給ひしに、
瓦におとる
淫奔耻かしく
遣はさるべくは
遣はしたけれど、
七萬石の
先祖が
勳功に
對し、
皇室の
藩屏といふ
名に
對し、
此こと
許はなし
難きに
表立ちては
姫も
邸に
置がたけれど、
我れには
一人の
妹、ことに
兩親老後の
子にて