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ばんじやらあまん
一寸、
其の
高樓を
何處だと
思ひます……
印度の
中のね、
蕃蛇剌馬……
船着の
貿易所、——お
前さんが
御存じだよ、
私よりか
お
聞きよ
此を!
今、
現在、
私のために、
荒浪に
漂つて、
蕃蛇剌馬に
辛苦すると
同じやうな
少い
人があつたらね、——お
前は
何と
云ふの!
何と
言ふの?
七
年幾月の
其の
日はじめて、
世界を
代へた
天竺の
蕃蛇剌馬の
黄昏に、
緋の
色した
鸚鵡の
口から、
同じ
言を
聞いたので、
身を
投臥して
泣いた、と
言ひます。