“とんび”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
90.0%
外套3.3%
豚尾1.7%
鳶子1.7%
鳶尾1.7%
鳶衣1.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
戸山ヶ原にも春の草がえ出して、その青々とした原の上に、市内ではこのごろ滅多に見られない大きいとんびが悠々と高く舞っていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
真昼間まっぴるま、……お尻を振廻して歩行あるいたって、誰も買手は有りはしないや。……とんび、鳶、」
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
じゃ、古い外套とんびだが、あれでも置いとこう、と、私が座敷に戻って来ると、神経質のお宮は、もう感付いたか、ちょいと顔を青くして、心配そうに、
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
其処そこら火灯あかりで、夜眼にも、今宵は、紅をさした脣をだらしなく開けて、此方をあおのくようにして笑っているのが分る、私は外套とんびの胸を、女の胸に押付けるようにして、
別れたる妻に送る手紙 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
伝馬町の獄門台へ豚尾とんびのついた梟首さらしくび押載おしのせてやるから待っておれ……何を魂消たまげたような顔でおれの面を見ている。
耄碌頭巾に首をつゝみて其上に雨を凌がむ準備よういの竹の皮笠引被り、鳶子とんび合羽に胴締して手ごろの杖持ち、恐怖こは/″\ながら烈風強雨の中を駈け抜けたる七藏おやぢ、やうやく十兵衞が家にいたれば
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
百姓家は恐ろしく大きな草きの屋根を持っていて、その脊梁には鳶尾とんびに似た葉の植物が生えている。
ある村の家は、一軒残らず屋根に茂った鳶尾とんび草を生やしていた。
「こんな着物が着たさに淫売じごくをしているのだなあ」と思うとつばきを吐きかけてやりたい気になりながら、私は鳶衣とんびそでで和らかにお宮を抱くような格好をして顔をのぞいて、「おい、この下駄はだれの下駄?」と、男下駄を指さした。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)