“とほまき”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
遠卷66.7%
遠巻33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
この大騷動だいさうどうのちは、猛獸まうじう我等われら手並てなみおそれてか、容易ようゐちかづかない、それでも此處こゝ立去たちさるではなく、四五間しごけんへだてゝ遠卷とほまき鐵檻てつおりくるま取圍とりまきつゝ、猛然まうぜんえてる。
遣手やりても、仲居なかゐも、をんなどももけつけたが、あきれて廊下らうかつばかり、はなしいた芝天狗しばてんぐと、河太郎かはたらうが、紫川むらさきがはからけてたやうにえたらう。恐怖おそれをなして遠卷とほまきいてゐる。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
家につかふる者ども、其物音に駈附かけつけしも、主人が血相におそれをなして、とゞめむとする者無く、遠巻とほまきにして打騒ぎしのみ。殺尽ころしつくせしお村の死骸は、竹藪の中に埋棄うづみすてて、跡弔あととむらひもせざりけり。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)