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とちゆう
えゝ、
一寸お
引合はせ
申しまする。
此男が
其の、
明日双六谷の
途中まで
御案内しまするで。さあ、
主、お
知己に
成つて
置けや。
途中に
事故があつて、
着の
時間が
珍らしく三十
分程後れたのを、
宗助の
過失でゞもあるかの
樣に、
待草臥れた
氣色であつた。
しかれども
竊に
謂く、
賢者は
旧悪をおもはずといふも事にこそよれ、
冤謫懆愁のあまり
讒言の
首唱たる
時平大臣を
肚中に深く恨み玉ひしもしるべからず。
しかれども
竊に
謂く、
賢者は
旧悪をおもはずといふも事にこそよれ、
冤謫懆愁のあまり
讒言の
首唱たる
時平大臣を
肚中に深く恨み玉ひしもしるべからず。