“たきもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薫物40.9%
焚物25.0%
薫香18.2%
燃料4.5%
度者2.3%
炷物2.3%
焚料2.3%
燻物2.3%
2.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
某日あるひ豊雄が店にいると、都の人の忍びのもうでと見えて、いとよろしき女が少女を伴れて薫物たきものを買いに来た。
蛇性の婬 :雷峰怪蹟 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
薫物たきものが煙いほどにかれていて、この室内にする女の衣摺きぬずれの音がはなやかなものに思われた。
源氏物語:08 花宴 (新字新仮名) / 紫式部(著)
と、金ちやんが先づいつた。そして焚物たきものの中から松葉を拾つて来て、ほらよ、と鹿の仔の鼻先にさし出した。
良寛物語 手毬と鉢の子 (新字旧仮名) / 新美南吉(著)
粗末な食事にも堪え、冬の寒いなかに焚物たきものの乏しいのをもいとわず、熱心にソルボンヌの大学へ通って、物理学の講義を聞きました。
キュリー夫人 (新字新仮名) / 石原純(著)
奥の室から吹き通う薫香たきものの香に源氏の衣服から散る香も混じって宮のおいでになるあたりはにおいに満ちていた。
源氏物語:25 蛍 (新字新仮名) / 紫式部(著)
火入れがたくさん出されてあって、薫香たきものをけむいほど女房たちがあおぎ散らしているそばへ院はお寄りになって、
源氏物語:38 鈴虫 (新字新仮名) / 紫式部(著)
縄屑やゴミは燃料たきものになるので、土がまじらぬように、そっとかないと叱られる。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
「源、まだ起きてたのか。燃料たきものたいしだ。——寢かされ。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
兎角とかくは年長の人々を不快がらせずに、出来るだけの事をなすといふにとど度者たきものと存じ候。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
炷物たきものいているのでもあろうか? 香料を身につけているのでもあろうか? 駕籠の中から形容に絶した、かんばしい匂いが匂って来た。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
置かば立派で神威を増し、伐らば二束三文の神林を、ことごとく一時に伐り尽させたところが、思うほどに売れず、多くは焚料たきものとするか空しく白蟻を肥やして、基本金に何の加うることなき所多し。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
人ごころの汚れの中よりかおり高き燻物たきものを神にささぐ
魚と蠅の祝日 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
今昔物語には、此の大臣もまた「形美麗に有様いみじきこと限りなし」「大臣のおん形ごゑ気はひたきものよりはじめて世に似ずいみじきを云々」と記しているので、われ/\は富貴と権勢と美貌と若さとに恵まれた驕慢きょうまんな貴公子を、直ちに眼前に描くことが出来る。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)