“たきもの”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
薫物40.0%
焚物26.7%
薫香17.8%
燃料4.4%
度者2.2%
炷物2.2%
焚料2.2%
燻物2.2%
2.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
或る日の午後、僕等は勧工場の中に這入つて、装飾品の売場から薫物たきものの売場へ、反物の卓から置物の卓へとあちこちうろついた。
不可説 (新字旧仮名) / アンリ・ド・レニエ(著)
龍泉寺の樹々も、ここの草木も、焚物たきものとして焚き尽し、立っているのは、風雨に黒くよごれた幾十りゅうかの菊水の旗ばかりであった。
日本名婦伝:大楠公夫人 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
きれいな直衣のうし薫香たきものの香のよくんだ衣服に重ねて、なおもそでをたきしめることを忘れずに整った身姿みなりのこの人が現われて来たころはもう日が暮れていた。
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
「源、まだ起きてたのか。燃料たきものたいしだ。——寢かされ。」
防雪林 (旧字旧仮名) / 小林多喜二(著)
兎角とかくは年長の人々を不快がらせずに、出来るだけの事をなすといふにとど度者たきものと存じ候。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
炷物たきものいているのでもあろうか? 香料を身につけているのでもあろうか? 駕籠の中から形容に絶した、かんばしい匂いが匂って来た。いやいやそうではなさそうであった。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
置かば立派で神威を増し、伐らば二束三文の神林を、ことごとく一時に伐り尽させたところが、思うほどに売れず、多くは焚料たきものとするか空しく白蟻を肥やして、基本金に何の加うることなき所多し。
神社合祀に関する意見 (新字新仮名) / 南方熊楠(著)
人ごころの汚れの中よりかおり高き燻物たきものを神にささぐ
魚と蠅の祝日 (新字新仮名) / フィオナ・マクラウド(著)
此の大臣もまた「形美麗に有様いみじきこと限りなし」「大臣のおん形ごゑ気はひたきものよりはじめて世に似ずいみじきを云々」
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)