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たがは
吾助は得たりと
太刀振上只一刀に討たんとするやお花は
眞二ツと見えし時友次郎が
曳と打たる
小柄の
手裏劍覘ひ
違ず吾助が右の
肱に打込みければ忽ち
白刄を
贔屓成るゝかと言しかば越前守殿大いに
怒られナニ
婦人を贔屓するとは不屆の一言
天地自然の
淨玻璃の
鏡を
立邪正を
糺し
業の
秤を以て
分厘も
違ず善惡を裁斷する天下の役人を
長い
形と
横にひらたいものとがありますが、
双方共に
一方につまみがあり、
他側は
切れるほど
鋭くはありませんが、
鈍い
刃になつてゐます。