-
トップ
>
-
そばちか
二人は
櫻が
岡に
昇りて
今の
櫻雲臺が
傍近く
來し
時、
向ふより五六
輛の
車かけ
聲いさましくして
來るを、
諸人立止まりてあれ/\と
言ふ、
見れば
何處の
華族樣なるべき、
若き
老ひたる
扱き
交ぜに
見られ
澘々と
落涙せられ此方はよき家來を持て
滿悦に思ふなり三人の
忠節心體見えて忝けなし去りながら我深き存意も有れば
密かに申聞すべし近ふ/\と三人を
側近くこそ進ませたり
側近く
呼て申樣汝に
遺言する事あり明朝は忠右衞門も予と共に
切腹致せば予がなき
跡は三日を
待ず其方
并びに次右衞門三五郎は
當御役宅へ奉公すべし必らず
忠臣二君に
仕へずとの
聖言を