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ぜつてう
左右は千丈の谷なり、ふむ所
僅に二三尺、
一脚をあやまつ時は身を
粉砕になすべし。おの/\
忙怕あゆみて
竟に
絶頂にいたりつきぬ。
傷き
斃れたのも
少くない
樣子で、
此日も
既に十二三
里許進みて、
海岸なる
櫻木大佐の
住家からは、
確かに三十
里以上距つたと
思はるゝ
一高山の
絶頂に
達した
時には、
其數も
餘程減じて
○
按るに、蛾眉山は唐土の北に
在る
峻岳にて、富士にもくらぶべき高山なり。
絶頂の
峯双立て八字をなすゆゑ、
蛾眉山といふなり。