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せきねつ
噴火作用中で
最も
恐れられてゐるのは、
赤熱した
火山灰が
火口から
市街地に
向つて
發射されることである。
井戸端に出ると汗はダラダラと全身に流れて
小倉の
上服はさも水に浸したようである。彼はホット
溜息を
洩らすと夏の夜風は軽く
赤熱せる彼が顔を
甞めた。彼の足は進まなかった。
勿論極めて
稀な
場合には
噴出せられた
瓦斯が
燃えることがないでもないが、
一般に
火と
思はれてゐるのは
赤熱した
鎔岩である。
但しこれが
赤熱してゐなくとも
噴火たることに
變りはない。
西インドの
小アンチル
群島中にあるマルチニック
島の
火山プレー(
高さ
千三百五十米)は、その
西暦千九百二年五月八日の
噴火に
於て、
赤熱した
噴出物を
以て
山麓にある
小都會サンピール
市を
襲ひ