-
トップ
>
-
すぢちがひ
吟味致すに
筋違とは如何なる儀にや此段承まはりたしと御
老人の
苦り切たる有樣なれば將軍にも御
當惑の體にて
偵が名君の
理に
伏し見え給ひ
殆ど御
困の御樣子にて太田主計頭を
莊子が
蝶の
夢といふ
世に
義理や
誠は
邪魔くさし
覺め
際まではと
引しむる
利慾の
心の
秤には
黄金といふ
字に
重りつきて
増す
寶なき
子寶のうへも
忘るゝ
小利大損いまに
初めぬ
覆車のそしりも
我が
梶棒には
心もつかず
握つて
放さぬ
熊鷹主義に
理窟はいつも
筋違なる
内神田連雀町とかや