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しよくご
此邊は
熱帶國の
常とて、
年中日が
長いので、
食後一
時間ばかりは
大佐をはじめ
一同海邊に
出でゝ
戸外運動に
耽るのである。
私も
少年も、
今猶ほ十
數日以來の
疲勞を
感じて
居るので、
其樣に
高歩きする
氣遣はないが、まして
此注意があつたので、
一層心を
配り、
食後は、
日記を
書いたり、
少年と
二人で
「あゝ
苦しかつた」と云ひながら、代助の方を見て
笑つた。代助は手を
叩いて
水を取り
寄せ様とした。三千代は
黙つて
洋卓の
上を
指した。
其所には代助の
食後の
嗽をする
硝子の
洋盃があつた。