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こくせいじ
道はなか/\きのふのやうには
捗らない。
途中で
午飯を
食つて、
日が
西に
傾き
掛かつた
頃、
國清寺の三
門に
著いた。
智者大師の
滅後に、
隋の
煬帝が
立てたと
云ふ
寺である。
何の
用事があつて
國清寺へ
往くかと
云ふと、それには
因縁がある。
閭が
長安で
主簿の
任命を
受けて、これから
任地へ
旅立たうとした
時、
生憎こらへられぬ
程の
頭痛が
起つた。
國清寺に
拾得と
申すものがをります。
實は
普賢でございます。それから
寺の
西の
方に、
寒巖と
云ふ
石窟があつて、そこに
寒山と
申すものがをります。
實は
文殊でございます。