“けんしう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
献酬50.0%
獻酬50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一夕いつせき、松川の誕辰たんしんなりとて奥座敷に予を招き、杯盤はいばんを排し酒肴しゆかうすゝむ、献酬けんしう数回すくわい予は酒といふ大胆者だいたんものに、幾分の力を得て積日せきじつの屈託やゝ散じぬ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
汐留しほどめの船宿、伊豆屋の表二階には、遊び人らしい二人の男が、さつきから差し向ひで、しきり献酬けんしうを重ねてゐた。
鼠小僧次郎吉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
「なあおつう、さうだな」と身體からだよこけていつた。いた土間どまとのさかひつてはしらかげにランプのひかりからけるやうにして一獻酬けんしう女房等にようばうらにはかにおつぎのしりをつゝいて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やがて交る/″\風呂に入つた二人の浪人者は、一本つけさして、互に獻酬けんしうを始めました。平次はその間に部屋を出て、懷紙に帳場すゞりでサラサラと何やらしたゝめ、店先に立つて宵の街を眺めて居ります。