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くはへぎせる
背戸から
廻つて
来たらしい、
草鞋を
穿いたなりで、
胴乱の
根付を
紐長にぶらりと
提げ、
啣煙管をしながら
並んで
立停つた。
と、ちよこなんとした
割膝の、
真中どころへ
頤を
据えて、
啣煙管で
熟と
眺める。……
老爺の
前を
六尺ばかり
草を
隔てゝ、
青年はばつたり
膝を
支いて、
手を
下げた。
と
掻蹲ひ、
両腕を
膝に
預けたまゝ
啣煙管で
摺出す
躰は、
嘴長い
鷺の
船頭化けたやうな
態である。