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きゝずみ
文治は恐入って両三度辞退いたしましたが、お
聞済がございませぬから、余儀なくお請け致しました。
文「これはしたり、囚人一同の者に代り申上げます事
故、御無礼の段は御容赦下さいまして、一度はお
聞済の上、お
頭様に拝顔の
適いまするようお
取計らいを願います」
取なし申せど何分村方にて
聞濟呉申さず是とても
差添の者へお
尋ね下さらば相分り申べくと申立けるに大岡殿
又勘右衞門喜兵衞を
可睡齋押返し
愚僧態々推參致し右の趣き御
聞濟是なきに於ては
退院致すべき
存寄に候と思ひ入て申されけるにぞ外記は殊の
外迷惑に思ひ然樣の思召ならば
曲て一等罪を