“かがい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
花街33.3%
嬥歌22.2%
花蓋11.1%
化外11.1%
歌合11.1%
華街11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
関内の花街かがいから送りこまれて、夜をくだつ器楽や強烈な酒精アルコールの騒音と共に、毎夜毎夜、けるのを知らない。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
もしや婆羅門の「いらつめ」「いらつこ」が古い日本の嬥歌かがいさながらに木々を縫ふてゐはしまいかと奥深く杜をうかがつたのだけれど、渡るものは風ばかりで、それでも気のせいか
このように、花弁とがくとの外観が見分みわがたいものを、植物学では便利のため花蓋かがいと呼んでいる。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
訪問客、すなわち蝶々はその長いくちばしを花中へ差し込み、花蓋かがいのもとの方の内面に分泌ぶんぴつしているみつうのである。その時、その虫の体もくちばしやくれて、その花粉を体やくちばしける。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
虎賁こほんの軍隊三十余万が、旌旗せいき旆旛はいばんを林立して、台下に立ちならび、このほか匈奴きょうどの黒童や化外かがいの人々も、およそ位階あり王府に仕えるものはこぞって、この祭典を仰ぐの光栄に浴した。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「無学野蛮なわしらではありますが、いにしえからまだ、七たび擒人とりこにして、七たび放したという例は、聞いたこともありません。いかに化外かがいの人間たりと、どうしてこの大恩に感ぜずにおられましょうか。……ゆるして下さい。おゆるし下さい」
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがまたこういう際に、ある程度まで黙認されるようなことになって、いにしえの時代の歌合かがい、人妻にも我も交らん、わが妻に人も言問こととえという開放性が、節度を踏み越させてしまうのも浅ましい。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
邪魔な独り者には吉原でよいが待っておるとよ。京弥! 程よく可愛がってつかわせよ。——流水心なく風また寒し。遙かに華街かがいの灯りを望んでわが胸独り寥々……