花街かがい)” の例文
新柳町の花街かがいではなかなかの遊び手だといわれ、いろめいたうわさが絶えなかったし、出三郎などもそのうちの幾つかが事実であることを知っていた。
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
関内の花街かがいから送りこまれて、夜をくだつ器楽や強烈な酒精アルコールの騒音と共に、毎夜毎夜、けるのを知らない。
かんかん虫は唄う (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その狼藉はなお可なり、酒席の一興、かえって面白しとしてじょすべしといえども、座中ややもすれば三々五々のぐんを成して、その談、花街かがい柳巷りゅうこうの事に及ぶが如きは聞くに堪えず。
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
忠也が新柳町の花街かがいで遊ぶことはまえに記したが、そこの「稲村」という料亭の娘が忠也の子を産み、すでに三つになるし、笠井家から月々の手当がいっているということを
艶書 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)